肩こりは、万病のもととも言われます。
たかが肩こりと思わずに、おかしいなと思ったら早めの対処・カラダのメンテナンスをおすすめします。

 
日本人の体の不調を訴える自覚症状の中で、最も多い症状と言っても過言ではない「肩こり」。よく日本独特のものと言われますが、諸外国では「肩こり」という概念がなくこの症状を「首や背中の疾患」と捉えることが多いためのようです。
 特に最近では、スマートフォン・ゲーム・デスクワーク・運動不足など仕事や日常生活でも目の疲れや長時間の同じ姿勢などによって、老若男女問わず肩こりを訴える方が多く、現代病のひとつでもあります。
 また便利で快適な生活になった反面、運動不足・生活習慣の乱れ・ストレスなどのために多くの人の慢性的な肩こりは避けられにくい状況にあるのが現状です。
 しかし、たかが肩こりと言ってその症状をほっておくと視力低下・胃腸の不調・免疫力の低下など様々な症状・疾患に発展する引き金にもなりかねません。

肩こりは、なぜ起こるの?
 肩こりの原因は様々ですが、まずヒトの体はその骨格において常に負担を抱え、肩こりを起こしやすい構造になっているということです。
 普段あまり重さを感じませんが、実際は頭は体重の約10~13%、片腕で約7~10%の重さを占めるとも言われています。
 ちなみに体重50kgの人で考えると、頭は約6kg、両腕で約8kgあることになります。それを首や背中の筋肉で支えているのです。ボーリング玉を乗せ、両方に水いっぱいのバケツをぶら下げている状態を想像してみてください。筋肉が疲れるのも無理ないですよね。
 姿勢が良い状態では、やじろべえのようにうまくバランスが取れて負担もすくないのですが、前かがみの姿勢や肩の高さの違いなどがあれば更に負担は増加します。
 「私はなにもしてないのになんで肩がこるの?」と言われる方がよくおられますが「動かない=使っていない」ではなく「動かない=維持している」からなのです。
 たとえば「座ってテレビを観ているだけ」と言っても座る姿勢を維持するために、あなたの知らないところで筋肉はがんばっています。生まれたての赤ちゃんを思い浮かべていただくとよくわかると思いますが、椅子に座らせることはおろか首も座っていませんよね。
 その姿勢が仮に一時間続けば、あなたの筋肉も一時間ずっと頑張っている事になります。そう考えると、仕事や日常生活を普通にこなしているだけで肩こりが出てくるのも当然と言えそうですね。

肩こりの主な原因
 肩こりの主な原因は、腰痛同様様々なことが要因として挙げられます。
・整形外科的な要因
頸部椎間板ヘルニア・変形性頸椎症・胸郭出口症候群・頸椎捻挫(むちうち)・頸腕症候群・骨粗鬆症などから疾患から起因する症状

・内科的な要因
胃潰瘍・膵炎・狭心症・心筋梗塞・肝炎・糖尿病などの疾患から起因する症状

・精神的な要因
ストレス・心身症・うつ病・自律神経失調症などと言われるものから起因する症状

・体質的な要因
体型・姿勢・冷え性・低血圧などから起因する症状

・疲労性による要因
筋肉疲労・眼精疲労・睡眠不足・運動不足などにより起因する症状
 そのほかにも、虫歯・咬みあわせ・更年期障害など様々な要因が挙げられます。
 このように上に挙げただけでも様々なものがありますが、たいていの場合肩こりの原因はひとつとは限らず、複数の要因が重なり合って起こっていることが多いです。それをひとつひとつ紐解いていくことで、本来の健康な身体を維持していく事ができるのです。

肩こりでお悩みの方は、ぜひ一度当院にご相談ください。原因を明確にした上で、最善の対処法を提案できればと思っています。